高専生が国立大学に編入学するまで

こんにちは,しまさん(@shimasan0x00)です.

私が高専から大学に編入学をしようと考え,情報を集めようとしたときは今のように情報がなく,意思決定をするための材料が少なくて苦労した覚えがあります.

当時の私のような高専生を出さないよう,みなさんが参考にする情報の一つとしてこの記事やこのサイトを利用していただけると嬉しいです.

この記事では私のことを軽く紹介しつつ大学に編入をするまでを学年別で紹介できたらと考えています.

もし,少しでもこの編入体験談が参考になったと思ったら自分が編入学をした際に記事を書いてあげてください.

必ず次に編入する人の役に立ちます.

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かるく紹介

私は高専の中で電気電子工学科というところに属していました.

5年間で学ぶ内容としては主に強電系・弱電系なのですが, プログラミング等の情報系や, 機械系のことも学ぶ, 良く言うと「複数の分野を広く学ぶ」ことができる学科でした.

中学生のころから情報系に興味がありましたが, 複数分野を学べることから進路も他の学科に比べると広いという甘言に惑わされる形で入学しました.

成績はおおよそですがこのような感じだったと思います.

以下では高専生活を振り返りつつ, どのような過程を経て編入学をしたのか説明していきたいと思います.

結果として私は電気系ではなく情報系の学部に編入をしました.

中学まで

中学生のころはハッキリ言ってバカだったと思います.

バスケ部だったのですが朝練や土日の練習などで時間が吸収され,ロクに勉強をする時間がとれませんでした.

そんな私が高専に合格するべく勉強を始めたのは中3の夏休みからでした.

個別指導の塾に通っていたのですが,担当の先生と巡り合わせが悪かったのか指導時間で成績が伸びるということはなく,塾のスペースを使用しての独学で成績を伸ばす感じの少年でした.

クラスでTOP10に入れていれば嬉しいなくらいの学力で高専に合格することができました.

高専1年生(編入をゆるく考え始める)

高専でも運動系の部活に入り, そこそこは活動してました(硬式テニス).

実は私が編入学を少し真剣に考え始めたのは高専1年生の初めての中間試験が終わったあたりです.

当時, 私は高専には優秀な人が多く集まり, 日々研鑽を重ねる環境であると思っていたのですが, 私の代がそうではなかったのかそんな空気はありませんでした(私もそんな空気を出す一員でした).

他の学科にいた友人もそれを感じたようでしたね.

実習やら講義を実際に受けていく中で, 高専を卒業しても社会で通用するスキルや技術は到底得られないと結論を出し, どこに編入をしようとまでは考えていませんでしたが, 編入だけは絶対にしようと考えました.

これは高専が単に悪いというだけではなく, 私自身がどのような環境にいても目標に向かって頑張る人間ではなかったというもの原因の一つだと思います.

環境は用意されているけど受動的に過ごしていました.私は環境を言い訳にダラダラしていたのでしょう.

編入学をしたいと思った私はそんな先(編入)のことは想像がつかないし, 当時は情報もほとんどなく,どうやって頑張ればいいか検討もつかなかったので以下の一点だけをまずは頑張り始めるようになります.

数学の勉強を頑張る

はい, とても単純な思考です.

数学であれば工学のどのような分野にも役に立つし, 高専では数学に成績を決める比重が大きかったこともあり, 一石二鳥では… と思ってはじめました.

といっても数学があった日に内容を復習する時間を設けたり, たまに休日のどちらか一日の1〜2時間勉強をするといったものでした.

そんな感じで勉強していたのですが結果が全然ついてこない時期が1年くらい続きます.

人よりも勉強している気がするのに結果が伴わず, 成績が目に見えて上昇することはありませんでした.

高専2年生(考え方が変わる)

数学の勉強を頑張ろうと思ってちょこちょこ勉強していて, 結果が出ず2年生になってしまいました.

しかし, 何故か最初の中間試験で2位になっていました.当時は親が喜んでくれてPS4を買ってくれたものです笑.

なぜそこまで成績が良くなかった私が2位になれたのかというと,周囲のクラスメイトが高専の環境に慣れて勉強に身を置く人が減ったからです.

高専に来て勉強を頑張る!!という人間は僅かだということを痛感しました.

そんなことを感じていた私ですが,以下の変化が訪れます.

すべての講義科目で高得点が取れるようになった

もちろん私の所属していた高専の先生が優しく, みんなに点数が取れるよう問題を作成して頂いていたというのが大きな要因ではあると思いますが, 成績がそこまでよくなかった私はようやく努力が実ったのかなと思ってしまいました.

若気の至りです.自意識過剰どころか自意識異常でしょう.

成績順位の結果だけ見るとまさしくステップ関数ばりの上昇です.

ここで私はある考え方を知ってしまいます. それは”ダメージコントロール“です.

ダメージコントロール英語:damage control)とは、物理的な攻撃・衝撃を受けた際に、そのダメージや被害を必要最小限に留める事後処置を指す。通称「ダメコン」などと呼ばれる。(Wikipedia

私はこのダメージコントロールという考え方を少し曲解して, 学校の試験に対して以下のような手法を適用していくようになりました.

高専における最高評価が得られる点数+10(私の場合は80点以上が最高評価とかいうありがたい設定でした.)になるよう勉強をする. 要するに満点なんてはじめから目指さない.

この考え方を適用するとどうなるかというと時間が余ります.

1から90点まで持っていくのと, 90から100点に持っていくのではかかる時間が大幅に違うからです.

毎試験毎試験すべての内容を網羅するなど当時の私からすれば発狂ものだったと思います.

この時期にはすでに電気系は自分がしたい本質ではないなと思い始めていましたから.

私はダメージコントロールの考え方を適用し, 余った時間で自分のしたいことをしました(私はもっぱら読書かゲーム,プログラミングに使っていました).

私はこの考え方を導入しても成績は変わらず安定しました.

しかしその反面, あらゆる教科に対してあまり興味が湧かず, 全てが万遍なくわかる人間になったと思います.

要するに何か秀でたものがない人間になります.

器用貧乏というとわかりやすいかと思います.

私の経験から言わせてもらうとこの考え方はあまりオススメできないというのが結論です.

これが私の失敗の一つですね. 今でもまだ染み付いているので大変です(笑).

結果だけでいえば高専生活で専門科目はすべて最高評価で終えることになります.

高専3年生(本格的に勉強を始める)

私は高専の三年生になったとき, 先生から次のようなことを言われます.

この夏する勉強が編入学できるかどうかを決めるよ

編入の情報をあまり集めていなかった私はこの発言を鵜呑みにし, 夏休みから少し編入学を意識した勉強を始めます.

(ちなみにこの頃には電気系の勉強にはほとんど興味がありませんでした. 使う数式面白いなぁくらいです)

実際に編入をした私から言うとあっていたと思います.

選べる選択肢が圧倒的に増えるのですから.

大きく分けて3つの勉強をはじめました.

(ⅰ)数学

(ⅱ)物理

(ⅲ)英語

これらで使用した本は「編入で使用した本」に, 勉強方法に関しては「勉強方法」の方を参照していただくと良いと思います.

この頃に私は情報系が強いという理由のみを考え, 筑波大学を受けようかなと考えはじめます.

ふわっと考えていただけなのですが… .

編入試験というのは日程が被らない限りいくつも受験することができます.

そこで私はとりあえず筑波大学の受験日と被らない大学をゆるく探し始めるようになります.

ここでポイントというほどのことではありませんが, 大学の情報は早めに入手することをオススメします.

特に今はSNS等で編入について発信している人,団体もあるので知りやすい環境にあるのかなと思います.

ただ,地方の高専生だとそういう集まりに参加しにくいのが現状で,そこを変えていく必要があると私は思っています.

高専5年生(編入する大学を確定させる)

さて, なんだかんだで5年生になりました.

受験する大学を本格的に決定し, 過去問を解き出したり面接の練習やらをはじめる時期です.

私の高専では研究室の配属が決定し, 研究も頑張らないとなと思いはじめるころでした.

そこで私にとって転機が訪れます.

今までは何となく筑波大学を受験しようと考えていたのですが , 担任の先生に「何故その大学に入りたいのか」という質問に対してうまく答えることができませんでした.

そこで私はいわゆるネームバリューやら一般的な意見だけで大学を決め, 自分が入りたいと強く思う意思がそこに介在しないということに気がついたのです.

そこからの私はあらゆる大学を本格的に調べまくりました.

電気系からの編入学で情報系に移ろうと考えていた私は, 電気系の勉強をほとんどする必要がなく(別に好きではないので), 単位にもなるべく困らないでかつやりたいことができ,自分が勉強したい分野で有名な先生がいる大学という我儘極まりない要望を叶えてくれる大学を探しました.

それに対して一つだけ編入学する前の情報だけで出てきた大学がありました.

それが和歌山大学だったのです.

ダブルメジャー制というアメリカの大学の仕組みをモロパクリしたもの(劣化版)を採用していました.

ダブルメジャー制とは学ぶ領域を主専攻と副専攻に分けて学ぶというものです.

選べる専攻分野は10にも分かれており, 学生はその中から2つを選んで学んでいくことになります.

その中には電気系, 情報系やらいろいろあります.

卒業するための単位の中には主専攻と副専攻以外の単位を取得する必要がありました. 

つまり情報系の勉強できるし, おそらく電気系の単位は認定されるだろうと考えたのです.

そこからの私の行動は早かったです.

卒業研究の担当の先生に私はおかしくないか, 間違って一時の気の迷いで進路を決めていないか確認をとり, 正式に和歌山大学に受験することにしました.

するとどうでしょう. 今まで頑張っていたものが報われ始めます.

コツコツ勉強していたおかげで成績は悪くないので推薦が余裕で取れました.

また, 一応筑波大学のために勉強はしていたので一般で受ける試験内容も言い方は悪いですが, ものすごく簡単でした.

あとは面接の練習をするのみとなっていました.

編入試験

実際に5月くらいに推薦の試験がありました.

私は先生から「編入試験というものは服装なんかでは判断されないんだ. 私服で問題ない.」と言われていたのでスーツで行かなかったのですが, 会場に到着した途端に「あっ…」となりました.

全員スーツ(ジャケット,ネクタイ フル装備)でしたね.

いやぁ後悔ポイントの一つです(笑).

私は合格しているので服装が関係ないのは明白ですが, 気持ちの問題でそのときは疎外感はがありました(というより恥ずかしかった).

試験の内容は面接だけとしか書かれてなかったのでまあ定番の質問だけ考えておいて, あとはその場のアドリブでいいやって思ってました.

そしたら案の定 定番の質問が来ました(やってる研究内容とか色々大学がある中でなんでこの大学なのかとか, 単位どうなるかわからないけど大丈夫かとか).

そこまではよかったのですが, 口頭試問があったのです.

正直プリント渡されて(3問程度書かれていた), この中から1問を説明しながら解いてと言われたときは焦りましたね.

うわぁ〜〜〜〜!!!!って思いました.

確かに控室で他の受験生は数学の参考書を読んでる中,私は何もせずぼ〜〜〜っとしてるだけでしたからね.

ですが問題が重積分だったり, 固有値を求める問題であったりと簡単なものだったので本当に助かりました.

試験は口頭試問も含めて15分程度で終わったと思います.

さいごに

ということで私の「編入学をする」という焦点に絞って体験談を紹介しました.

同期の人達を見るに編入に関しては早めに考えて行動している人がいい結果をむかえていたと思います.

3年の時点あたりに受けたい大学が決まるとかなりスムーズなのですが,ぼんやりと編入したいなぁとだけ考えている人はとりあえず数学だけでも勉強しておきましょう.

めちゃくちゃ後が楽になりますよ.

p.s.

この「てくてくぷれいす」では編入予定の人や編入経験のある人の体験談,経験談を募集しています.もし,体験談や経験談を書いてくれる方がいましたらTwitterやお問い合わせから是非連絡ください.

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