こんにちは,しまさん(@shimasan0x00)です.
皆さんは,「高専」をご存知でしょうか.
まだまだ私の認識では認知度が低いと思います.
ここではそんな高専とは何なのかを紹介しつつ,元高専生の私が思う高専がうたっている「実践型教育」について少し述べれたらなと思います.
高専とは
まずは比較のために他の色々なサイトの定義を見てみましょう.
高等専門学校(こうとうせんもんがっこう)は、後期中等教育段階を包含する5年制(商船に関する学科は5年6か月)の高等教育機関と位置付けられている日本の学校 。一般には高専(こうせん)と略される。 学校教育法を根拠とし「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する」ことを目的とする一条校である。(Wikipedia)
高等専門学校は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関です。 全国に国公私立合わせて57校あり、全体で約6万人の学生が学んでいます。(文部科学省)
時代にふさわしい、実践的技術者を養成する高等教育機関(国立高専機構)
う〜ん,なるほどって感じですね.
色々ありますけど, 一言で言えば「5年間で技術者を育てる(たい)」学校ですね. ちなみにこのような立ち位置に高専はあります.
卒業すると短大卒と同じ準学士で準学士(工学)が得られます.
図にあるように進路としては高専の上に位置づけられる専攻科や大学の3年次(だいたいは)に編入学するという道があります.
もちろん就職する人を半分くらいはいます.
私はあまり高専からの就職がいいとは思えない人間でした.
それは編入学するまでで少し触れています.
そのきっかけの一つになったのはこの記事を見たからです.
高専について冒頭で技術者を育てる学校といいましたが, 卒業時にある程度の技術を取得している学生はごく一部です.
通常, 高専のカリキュラムを受けているだけでは到底不可能です.
よくあるパターンでは, 中学生の頃はある程度のやる気があるのですが高専に入った途端やる気がなくなり, とりあえず高専に行っているというのがあります.
実践型教育??
また, 高専のカリキュラムにも問題があるような気がします.
実践型教育といって環境は用意されているのですが皆がみんな高専に入ったからといってその環境を十全に活かせるわけではありません.
Twitterにいる高専生の方々は環境をうまく使っている人が多いのでその感じはあまりないように見えますが… .
確かに設備はあります. 金もないなりに機材は充実しています.
ですが班ごとに実験を行う必要が往々にしてあります.
もちろんチームワークを育むためには必要ですし, 集団で成果物を出すという経験が積めるのでこの制度自体は悪くありません.
講義時間の兼ね合いや先生方のマンパワーの限界もあるでしょう.
ではここで少し例を見て,実践型教育の実態例を見てみましょう.
例として電気機器(モーターを想像するとわかりやすいです)の実験を考えてみましょう.
班員は6名で各週に一つのテーマで実験を行い, 考察してレポートにまとめて提出する至って普通のパターンを想定します.
まず, 実験では何が必要でしょうか.
(1)実験の原理のある程度の理解
(2)実験方法の理解
(3)適切な配線を行い, 回路を組む
(4)適切な計測機器を用意し, 適切なレンジにする
(5)測定データを記録する
(6)得られたデータからグラフの作成
(7)提示されていた問への解答を考える
ほんとうに大雑把ですがこれくらいはあると思います.
ではそれぞれについて簡単に考えていきましょう.
(1),(2) 実験をするのですから何が目的でどういう結果が得られるだろうというようなことは班員全員が共有しておく必要が普通はあります(原理や方法 含).
しかし, これは最低何人いれば達成されるでしょうか.
おそらく1〜2名いれば十分だと思いませんか?
1〜2名がわかっていれば班員に指示を出せば済むからです.
(3),(4) 電気機器の実験ですので回路を組む必要があります.
これはどうでしょうか. これも1〜2名で十分だとは思いませんか??
配線の確認のためには2名いたほうがいいでしょうね.
扱う機材によっては命にかかわることもありますので… .
作業分担という意味でも2名が妥当かなという気がします.
3名いると配線するスペースがありませんし, 逆にミスが誘発されやすいです.
確認だけならいいのですが. (5),(6),(7) データを記録し, まとめる必要がありますね.
これはどうですかね. そろそろわかってきたと思いますが1〜2名でいいですね.
これは1名でも十分だと思います.
さあ, どうでしたか?? 最低何名いれば実験が成り立つのでしょうか.
この例で見ればですが3名で十分な気がするのは私の気のせいですかね??
では残りの班員3名は何をするのでしょうか.
雑務?それともサポートのサポート? それとも… . というわけで環境が与えられても当人次第では無です.虚無です.
私がいいたいのは, 能動的でなければ環境が用意されていても意味がないということです.
さいごに
なんだかんだ言いましたが,高専のカリキュラムや環境にマッチできる人間には快適すぎる場所だと思います.
詰め込み型の教育ではないし,時間を有益に使えます.
試験も大学と同じで最低60点がノルマですが,普通に授業を聞いていれば全然難しいことはないですし… .
もし高専に興味がある人は体験入学等のイベントで実際に行ってみるといいかと思います.