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Apex Legendsによる文化的背景の違うユーザの交流に関する分析(#1)

shimasan0x00

※2021年10月24日のnote記事を移行したものです.

こんにちは,Shimasan(@shimasan0x00)です.

皆さんはApex Legends(エーペックスレジェンズ)遊んでますか?

遊んでいなくてもどこかでその単語を目にすることがあることかと思います.

この基本無料バトロワゲームを介して最近,顕著な変化が起きていると私は感じています.

それは「APEX」を介した文化的背景の違うユーザの交流です.

最近,APEXをメインで配信している配信者やプロゲーマーがアイドル,漫画家やアーティスト,クリエイター,芸能人と共にプレイすることが各種配信サイトで確認することができます.

通常,これらの多様なユーザ(特に配信者)は特別なキッカケがなければ交流することが難しいと考えられます.

現在はそれらのユーザが「APEX」を介して交流する機会というのが増えています.

さらにこの現象によってそれらのユーザに興味・関心を持つ一般的なユーザも違う分野のコミュニティに触れる機会が増加しているといえます.

これは配信しているユーザの変化というだけでなく,我々のような一般ユーザにとっても大きな変化というわけです.

我々は意識的,無意識的に既存とは異なる文化圏に触れているのです.

この分析では,実際にAPEXによる文化的背景の違うユーザの交流が起きていることを示す分析の#1です.

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分析の流れ

  • 配信者の配信サイトからコラボ相手とのネットワークを作成(今回はココ)
  • 配信者の持つTwitterのフォロワーによる関連ネットワークを作成
  • 実ネットワークと関連ネットワークの特性の違いから異なる文化圏のユーザとの交流を示す

今回の目標

YouTubeにて多くの時間APEXに費やし,多くの視聴者を集めている上位のユーザが実際にAPEXで交流しているネットワークを作成し,そのネットワーク特性を明らかにします.

使用するデータ

私が毎時収集していた日本におけるYouTubeでAPEX配信をしている上位50人とその視聴者数のデータを使用します.

2021年9月23日から2021年10月23日のデータで総視聴者数が多い上位10ユーザを対象とし,その期間におけるAPEXで交流したユーザ間でエッジを張り,ネットワークを作成します.

なお,上位10ユーザなのはコラボ相手のエッジを作成するためのデータ集めが手作業だからです.ちなみに2度と集めたくないのでこういうデータを収集してくれる人募集です.

過去にVTuberのコラボ配信自動抽出手法の提案と試験的分析をおこなったことがあるんですが,これはYouTubeのサムネ画像の顔検出と概要情報を組み合わせた手法で,今回対象となるユーザには全く適してないので使用していません.

では,参考までに総視聴者数が多い約上位20ユーザの情報を掲載しておきます.

一言コメントするならば,ジャニーズすげぇ.

分析結果

実際に上記手法にてネットワークを作成し,可視化した結果を以下に示します.

次数中心性(多くのユーザとコラボしてれば大きくなる),媒介中心性(多くのユーザ同士を仲介するようなユーザが大きくなる),チャンネル登録者数でユーザのサイズは変化しており,ユーザの色はLouvain法というコミュニティ抽出法によってコミュニティ別に着色しています.

エッジの色はコラボ回数が多いと濃い色になります.

なお,コミュニティ数は7となりました.

まずは次数中心性,媒介中心性,チャンネル登録者数の順でネットワークを示します.

次数中心性

媒介中心性

チャンネル登録者数

ぱっと見るだけでも芸人やアーティスト,歌い手,アイドルなど多種多様なユーザと配信者がつながっていることがわかります.この実ネットワークを作成しただけでも価値があるかもしれません.

ネットワーク上に存在するコミュニティの話をすると,このネットワークには特に大きな勢力である渋谷ハル,白雪レイドコミュニティとkinako,Kuzuhaコミュニティが存在します.

これを見ると,最近発表された渋谷ハルらが立ち上げたVTuber事務所に白雪レイドを所属させた方針は価値があるといえるのではないでしょうか.結果としてYouTube上で多くのユーザを集める配信はCR+渋谷ハル軍団とにじさんじの2つになるでしょう.これから著名になってくる配信者や異なる分野のユーザは必ずこれらのユーザを通して知り合う世界になるのではないでしょうか.

媒介中心性の大きい渋谷ハル,白雪レイドは異なる配信者同士を繋ぐ役目としてネットワーク上で高いスコアを誇っており,単なるチャンネル登録者数以上の価値をその周辺配信者へと還元しています.

終わりに

配信者の配信サイトからコラボ相手とのネットワークを作成し,各種特性によって可視化結果を変化させました.

上位10配信者に限定し,その1近傍ユーザまでしか見ていないので本来であればもう少しネットワークサイズが大きく,もう少し複雑であることを考慮しなくてはいけませんがこのネットワークに参加しているユーザはAPEXを広める貢献していることは明らかであり,その輪を担っているユーザについても示唆することができました.

私はVTuberにめちゃくちゃ詳しいというわけではないので識者の方々が見ればもう少し違う角度からこのネットワークを見ることができるかもしれません.もし知見があれば是非教えてください.

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ABOUT ME
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Data Engineer
高専→大学編入→大学院→社

専攻は計算社会科学,ウェブマイニング
趣味でVのデータ集めたりAI触ったり
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